肝斑と美容鍼の兼用(効果・注意点)

こんにちは。美容鍼灸サロン ハリリア京都 鍼灸師の中川です。

50代のお客様のお肌を見させていただくと、肝斑をお持ちの方が多く、ご質問をいただく事も多いため今回は肝斑と美容鍼についてのブログになります。

肝斑はシミの分類に入りますが、シミは大きく2つに分かれます。

①メラニンを産生するメラノサイトと表皮の細胞の異常による「シミ(そばかす、老人性色素斑、脂漏性角化症)」

②メラニン細胞は正常だけども、周囲の環境の異常でメラニン産生が更新している「肝斑」。肝斑は炎症後色素沈着の一種で、肝斑の方は、メラニン色素を産生する色素細胞が活発になりやすい状態にあります。軽度の炎症でもメラニン産生が促進し肝斑となります。摩擦刺激、乾燥、紫外線によって皮膚の炎症が生じると茶色い色味が濃くなりなります。その他の原因として、ピルの服用などホルモンバランスの乱れ、季節により増悪することがあります。

「シミ(そばかす、老人性色素斑、脂漏性角化症)」は異常になった細胞をレーザーで破壊すれば終わりですが、肝斑でメラニンを過剰に産生しているのは「正常のメラノサイト」ですので、表面の皮膚をレーザートーニングやピコレーザーで削っても、レーザー辞めると肝斑が元に戻ったり、レーザーの頻度が高いと白抜けが起こる場合もあります。

目次

肝斑の原因

肝斑は女性の顔面にできる左右対称性のシミで、目下~頬にできやすく、ぼや~とした茶色いシミがペタっと張り付く様な特徴があります。肝斑はシミ(老人性色素班)、ソバカス、ADMと同時に存在する場合もあります。

肝斑は、摩擦や紫外線、ピルの服用によるホルモンバランスの乱れが原因と言われていますが、どれか一つというよりも複数の原因が絡み合っている方が多いように思います。

特に50代のお客様の世代は、「ゴシゴシしっかり汚れを落とそう」というメイク落としや洗顔方法をされてきた方が多く、綺麗になれると思って頑張ってくださっている事が逆に肝斑の発生にも繋がります。

肝斑の一般的な治療

①トラネキサム酸

止血作用や炎症を抑える作用がある内服薬で、シミの改善に効果のある成分として厚生労働省に認可されるようになり肝斑の治療にも使われるようになりました。トラネキサム酸の副作用として、血栓のリスクや肝臓・腎臓への負担があります。また、血栓を生じやすい年齢と考えられる55歳以上の方が、トラネキサム酸を使用する場合には注意が必要とされています。

②トレチノインを塗る

トレチノインは、肌のターンオーバーを加速させることでシミやくすみの減少を促します。しかし、肝斑は炎症が原因で、強い刺激は厳禁です。トレチノイン治療によって肌が傷つき、炎症を起こすと、色素沈着が悪化する可能性があります。また、治療時は肝斑が改善はしても辞めると元に戻る人が多く、長期外用はアレルギー、皮膚炎、赤ら顔になることがあり、注意が必要です。

③ピコトーニングやレーザートーニング

レーザートーニングをおこなうとメラニンが多く含まれている表皮は除去され、一時的に肝斑は綺麗になりますが、その後レーザーにより炎症後色素沈着がおこり、元の状態に戻ります。レーザートーニングでは、治療間隔を2~3週間に設定して、炎症後色素沈着がおきてきたころに次の照射をおこなう為、レーザートーニングを継続している間は肝斑がよくなったように感じますが、レーザートーニングを止めてしまうと、肝斑は再発します。また、レーザーを繰り返し照射することで、表皮のメラノサイトは破壊されていきます。繰り返すことで色が抜けてしまい、白抜けがおこる可能性もあります。

肝斑に美容鍼は効果がある?

美容鍼はターンオーバーを促すため、②のトレチノインのようにシミやくすみの減少を促します。しかし、肝斑は炎症が原因で、強い刺激は厳禁です。美容鍼によって肌が傷つき、炎症を起こすと、色素沈着が悪化する可能性があります。その為、当サロンでは肝斑がある箇所には鍼を避けて施術をさせていただいております。お店によっては肝斑の箇所にも鍼を打たれる場合がありますので、担当の鍼灸師にご相談された方がよろしいかと思います。

肝斑の方は全体的な顔のくすみがある方が多く、全身の治療や肝斑を避けた顔の鍼をすることにより、くすみは綺麗になります。くすみが綺麗になるので肝斑が薄くなったように感じますが、肝斑の根本は変わりませんので、美容鍼のみでは肝斑に効果はありません。

そこで、当サロンでは肝斑の方には全身の治療と水素吸入をオススメしております。

お客様の変化をご紹介いたします。

50代女性・産後から肝斑が出られ何年もトラネキサム酸を服用されていらっしゃいました。

画像の左側が初回来店時、右側が3か月後のご来店時のお写真です。

お客様には、鍼灸施術と水素吸入を2週間に1回お受けいただき、ご自宅では水素美容液+水素サプリをご使用いただきました。

全体的に茶色くくすんだ肌が白くピンク色になられ、肝斑も随分薄くなられました。口元の小皺も薄くなっていらっしゃいます。

水素で肝斑が薄くなる仕組み

Screenshot

摩擦刺激や紫外線によって発生する活性酸素がメラノサイトに「メラニンを作れ」という命令を送りますが、水素は活性酸素を除去してくれます。水素は分子が小さいので細胞の中にまで入り込み、活性酸素を除去して指令を遮るため、メラノサイトが活性化しなくなります。

また、水素には“優れた抗炎症作用”があり、肝斑は炎症によって悪化しますので、炎症を抑えることで肝斑を薄くする作用も期待できます。

水素を詳しく知りたい方はこちらのブログも参照ください。

肝斑で注意していただきたいこと

①肌への摩擦を減らす

洗浄力が強く摩擦がおこりやすいサラサラのオイルのメイク落としは避け、肌とクッションになるジェルタイプがオススメです。洗顔時はしっかり泡立てたたっぷりの泡で肌ではなく泡を擦るようにして洗ってください。肌につける美容液や化粧品の品数を減らすことも顔への摩擦を減らせます。(量はしっかりご使用ください。)美容液を塗る際も肌をゴシゴシしない、叩かない、とにかく指の腹で優しく塗ってください。肝斑の方におすすめのメイク落としはこちら

②ターンオーバーを促しすぎない

ターンオーバーを促すケア(ピーリング・レチノール等)は刺激が強く肌が薄くなり摩擦に弱くなり炎症がおこりやすくなるので使用を避けて、肌を鎮静するケアに変えていただく。肝斑の方におすすめの鎮静ケアはこちら

③紫外線ケアをする

日焼け止めは1回500円玉位の量を顔に使い、数時間ごとにこまめに塗りなおしてください。肝斑の方におすすめの日焼け止めはこちら

③保湿をする

肌の水分量が低下するとバリア機能が低下し、炎症しやすくなるので保湿をしっかりおこなってください。肝斑の方におすすめの保湿ケアはこちら

④炎症しやすい食べ物を控える

体内の炎症にも肌は左右されやすいので、精製された糖質(小麦粉製品など)・加工食品・添加物・トランス脂肪酸・飽和脂肪酸が多い食品(バターやハードバター、ココナッツオイルなど)は控えて、野菜・果物・種実類・魚介類を多く食べるようにする。肝斑の方におすすめのサプリはこちら

肝斑の方でも美容鍼を受けられますが、肝斑の箇所には鍼をしないように注意されてください。

肝斑の箇所に他の悩みがある場合は(肝斑とシワや肝斑とたるみ等)、先に肝斑を綺麗にしてからシワやたるみの治療を受けられるようにしてくださいね!

最後までご覧くださりありがとうございます。

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